創志学園法人本部:未来の学校2024Spring特別対談
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海外での日本展は日本の文化を伝える貴重な機会創立150年を超え「世界の東京国立博物館」を目指したい――― 藤原ですね。博物館やその展示品の価値は、その国や都市のブランド力につながる大事な要因だと私は思っています。国内外から人々を集め、旅行の目的地になる魅力にもなる。藤原 その通りです。海外に旅行する際、まず、その国の歴史博物館を訪ね文化歴史を学んでから観光地へ行く。東博は日本においてその役割も担っています。多い日には来館者の3分の2がインバウンドの外国の方ということも。コロナ前よりも外国の方の来館者が増えている印象です。訴えるメッセージもそうですが、館長は自ら率先して広報活動にもリーダーシップを発揮されていますね。藤原 修理待ちの文化財もまだまだ沢山あるので、リストを作成して広く寄付金集めも行っています。今年の夏には、東京国立博物館の魅力を幅広い世代に発信していただくため、華道家の池坊専宗さん、建築家の隈研吾さん、作曲家の三枝成彰さんなど著名な方々を東博アンバサダーに任命しました。増田 東博のブランド力を高める活動増田 館長が今後挑戦したい施策を教えていただけますか?藤原 東博は去年、創立150年を迎え、ここからは次の150年を考えていく時。これから注力するのは、「日本の文化を世界へ、未来へ伝える」ことですね。現在、東京国立博物館が提携を結んでいるのは、中国と韓国の博物館だけです。北東アジアにしかネットワークを持っていないんですよ。日本を代表する博物館としては、「世界のトーハク」を目指して、ルーブル美術館や大英博物館、メトロポリタン美術館などと肩を並べていかなくてはいけないと思っていて、スミソニアン国立アジア美術館やギメ東洋美術館、ケ・ブランリ美術館とも連携協定を結ぶ予定になっています。増田 まさにフランス駐在経験を文化外交として東博でも活かされているんですね。逆に、東博が所有している文化財を海外の博物館や美術館の企画展に出品することもあるんですか?SOSHI EDUCATIONAL GROUP 学校法人創志学園 理事長 増田 哲也Tetsuya Masuda1967年 静岡県生まれ。早稲田大学大学院修了。設置校の学校長、学長、専務執行役員を経て、2023年4月より学校法人創志学園理事長。05

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