創志学園法人本部:未来の学校2025Spring特別対談
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くらい喋るときに選手に近づくんです。若い選手とか特に鬱陶しいでしょう。その上、相手がどう思っているか関係なく、とことん言い尽くします。愛していたら、一方通行(笑)。片思いなんです。だから「お前が嫌いでも俺は好きだから、今日も言うし、明日も言うし、明後日も言う」と。それが続くと誠意は伝わるので、納得はしないかもしれませんが、ちょっと動き出すみたいな感じにはなるんですよ。増田 著書の中でも正面から選手にぶつかるとありますが、まさにそれですね。ぶつかる感じっていうのが今風ではないですけど。栗山 だから嫌がられる(笑)。でも、逆の立場で考えれば相手が本気だなと思えば、話を聞けるじゃないですか。だから、そこを怖がらない。もともと監督って嫌がられる仕事なので。おそらく理事長も同じでしょう。増田 おっしゃるとおりです(笑)。栗山 だけど僕はそういう先生に会いたいって思います。増田 私もそうですからね。ただ、そういう先生が少なくなっているのも事実です。逆に、成功体験が強すぎるためになかなか変われない指導者もいるんですよ。栗山 実績がある人、能力のある人ほど変わりにくい。それは結果を出しているし、考え方もすごくしっかりしているからです。でもそれじゃ、子どもたちには伝わらないんです。要は、大事なものを捨てるのではなく、やり方を変えなきゃいけないということです。増田 我々の大学や高校でも様々なスポーツを行っていますが、今、多くの指導者がジェネレーションギャップに悩んでいます。取り巻く環境や、子どもたちも変わるなかで、こうした問題にどう対応されてきましたか。栗山 大前提として指導者にとって難しい時代になっていると思います。これはプロ野球のコーチも同じです。新たなテクノロジーが生まれ、子どもたちの情報源も増えている。そこで、僕が思うのは、自分のやり方を見つけること。そして、そのやり方をいつでも変えることができれば大丈夫だと思います。監督を長くやってきて唯一間違いないと思っているのは、「自分が正しいと思った瞬間に終わる」ということです。違うやり方、考え方もあると思っていることが大事ですね。増田 監督のやり方というのは。栗山 選手に「監督、近い」と言われる思った瞬間に終わる指導者は自分が正しいとSOSHI EDUCATIONAL GROUP 08

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