仕事のないときは栗山町にいます。それに、これからの時代に必要な強さやタフさを養うにふさわしい自然環境が残っているので、一時期、東北から多くの野球選手が出ましたが、これからは北海道から必ず出てくると思いますね。増田 同感です。いい選手が出てきても別の地方に取られてしまうので、ぜひ、北海道に残ってもらい、ゆくゆくはファイターズに入ってもらいましょう。栗山 そこは頑張っていきますよ。野球に限らず、子どもの頃から自然環境と触れ合うことでいろいろなものが養われていますから、そこは強いと思いますよ。増田 我々も引き続き頑張って参りますし、今度、ぜひ深川の生徒と栗山町にお伺いさせてください。本日は、ありがとうございました。ような真剣さで取り組まねばならぬ」という言葉を大切にしています。これは、全てに共通しますね。最後に、北海道について少しお話させてください。監督は栗山町にお住まいですが、私どももクラーク記念国際高校が深川市にあり、野球部は、地元の納内地区の町内会が後援会に入ってくださっていて、寮には頻繁にお米や野菜を届けてくださるなど町全体で応援してくださっています。ですから、我々のユニフォームには「深川」と入っていて地元を代表する気持ちで戦っているのですが、監督にとって北海道はどんな存在ですか。栗山 僕は北海道を国だと思っているんです。だから、国のプライドを持って前に進まなきゃいけないと思っていますし、増田 いま、指導者に求められる資質はどのようなものだと思いますか。栗山 僕が思うのは「人の話を本気で聞ける人」です。能力のある人が聞くと、よく相手が間違っている体で聞くことがあります。そうではなく、「え、そうなんだ」と、本気になって話を聞くことです。自分の心の内をさらけ出してくれるだけで、解決することも多いですからね。増田 私は、監督、指導者に限らずですが、人との出会いに敏感になることも大事なことではないかと思うのです。今回、監督との出会いもそうですが必然的だと思っていて、出会いが何かを生み出すことも多いですからね。栗山 僕の尊敬する森信三先生は、「人間はその瞬間に必要な人に間違いなく、一時(いっとき)の遅れもなく、一時も早すぎずに出会う。しかも心の内から求めなければ縁は生じない」と仰っていて、僕はずっと出会えていないと思っていたのですが、振り返ってみると、その時々で出会っていた。ですから出会いやご縁、それから運というものは大きな要素で意味がありますね。増田 森信三先生で云えば私どもも「教育とは流れる水の上に文字を書くような儚いものだ。だが、それを岩壁に刻み込むSOSHI EDUCATIONAL GROUP 09
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