クラーク【宇宙探究部®︎】生徒たちによる人工衛星「Clark sat-1」がついに完成!今秋の打ち上げに向けて完成披露会見が行われました

クラーク記念国際高等学校と、国立大学法人東京大学大学院工学研究科、Space BD株式会社は、高校生による人工衛星開発・打上げおよび宇宙をテーマにした探究学習プログラムの開発により未来のリーダー人材育成を目指す「宇宙教育プロジェクト」実施しています。この度、「宇宙教育プロジェクト」において、生徒たちが主体となり作成に携わった人工衛星「Clark sat-1(愛称:Ambitious)」が完成。完成披露会見が3月17日(金)に宇宙関連領域におけるビジネス活性化促進プロジェクトの拠点である「X-NIHONBASHI」にて行われました。

宇宙教育プロジェクトとは

「宇宙教育プロジェクト」は、衛星開発の追体験、生徒主体の運用・ミッション実行をベースに高校生が宇宙に関心を持ち、宇宙視点で様々な課題解決を考え実行できる未来のリーダー人材育成を目指した教育プログラムの開発を目的としたプロジェクトです。衛星開発・運用を通じ、宇宙開発への興味関心と課題解決の達成に向けた生徒たちの主体性を育てると共に、未来の社会で活躍する人材として不可欠な非認知能力を伸ばすことを目的としています。

完成披露会見について

3月17日(金)に実施された記者会見では、多くの報道陣、及び宇宙関係者にご参加いただきました。記者会見の司会は、クラーク国際の生徒2人らが行ないました。はじめに吉田校長が2022年4月からの取り組みを紹介。「思いを乗せて宇宙へ挑戦してほしい」と語りました。

宇宙教育プロジェクトアンバサダーである宇宙飛行士の山崎直子さんからは、「宇宙探究部の皆さんは、たくさんの学びがあったと思う。地道なことの積み重ねが大きな夢に到達するための道。クラーク記念国際高等学校が宇宙へ挑戦することは夢やチャレンジを重視する風土があるから。これから活動の幅も広がると思う。宇宙に限らず、挑戦したい人が増えると嬉しい。色々な方のご縁と連携でここまでやってこれた。全ての方に感謝し、高校生たちが前へ向けるよう応援したい。自分が高校生の時には高校生が人工衛星を作るなんて思いもよらなかった。純粋に羨ましいなと思っていた」と述べ、「世界的にも本当にアンビシャスな成果。高校生のうちから、チームでやり遂げたことは大きな財産になると思う」とコメントいただきました。
指導している東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授からは「アンビシャス、良い名前ですよね」と話を始めた。「これから宇宙へ打ち上げ、衛星が動くことで新たな学びがある。開発や利用の話だけではなく、ミッションをどうやって決めていくか、運用なども講義した。大学生レベルの宿題も出したが生徒たちは解いていた。CanSat実験も楽しかった。問題解決の非常に良い鍛錬になったと思う」と宇宙教育プロジェクトの充実感を語っていただきました。

また、中須賀教授は、小型衛星開発のパイオニアとして、「学生が衛星を作ることは思いもつかなかった」といいます。そして「あるものを実現するにはどう計画しなければならないのか、そのために何の勉強が必要なのか。宇宙は問題解決のためには非常にいい教材。『絶対に成功させたい』と思うから。これが良い鍛錬につながる。彼らはまさにそれを経験した。他の高校にもやってもらいたい」と語っていただきました。
宇宙ベンチャーの立場で手助けしたSpace BD株式会社の永崎将利 代表取締役社長からは「このプロジェクトをどう活かすか、3つのキーワードがある。先駆者、本物に触れたこと、そして実践的だったこと。高校生が主体者として衛星を開発して打ち上げるのは日本では初めての試みだった。宇宙開発はいま盛り上がっている。先駆者にしか見られないものを経験できたと思う。いつか実感できるところが来る。二つ目は本物に触れたこと。中須賀先生、山崎直子さん、アークエッジ・スペースさんなどに助力してもらった。この価値はいまは実感できないかもしれないけど、すごく貴重だったことを実感できる時が来る。最後に実践的だったこと。センサーの使いこなし、安全審査プロセスなどを学んだ」と振りかえり、「これからの経験はどういう人生を歩もうが素晴らしい経験になる」と祝福の言葉をいただきました。

宇宙探究部に所属する生徒らからも「今回のプロジェクトは通常の衛星開発より早いペースで行った。さまざまな方に特別授業を通して宇宙開発について学んできた。失敗してもやり直す『トライアンドエラー』の考え方や問題解決について学んだ」とコメントがありました。
また、「いまこの場に立てていることを誇りに思う。宇宙から見た地球の景色を撮影し、多くの人に地球の状況を伝えたい。人工衛星から撮影した今のリアルな状況がわかる写真をもとに現状を知ってもらい、環境問題の解決に貢献したい」と、力強い言葉がありました。

人工衛星「Clark sat-1」に関して

Clark sat-1(愛称:Ambitious)は1Uサイズと呼ばれる10cm角・重さ約0.94kgの人工衛星です。2021年10月から開発が始まり、各種申請手続きやJAXAによる各種審査などを経て、2023年3月に完成、これからJAXAへ引き渡しが実施されます。また、衛星を運用すべく、クラーク国際の校舎に管制局の設置工事も行いました。 約1年半、クラーク国際の生徒は衛星開発のプロセスに沿って、宇宙開発の基礎知識からチームワーク、自ら問いを立てて課題を解決する力を身に着けてきました。東京大学中須賀教授から最新の宇宙開発について学び、Space BDが開発した宇宙をテーマにした様々なワークショップへ参加、宇宙ビジネスを展開する企業様へ訪問するなど、座学に留まらない様々な学びを経験しました。

衛星は今後宇宙空間で生徒によって考案されたミッション達成を目指していきます。生徒同士の協議により衛星のミッションは4段階に設定されています。

打ち上げ後のミッション

①ミニマムサクセス:ISS(国際宇宙ステーション)からの放出成功
②フルサクセス:超小型衛星(Clark sat-1)との通信成功
③エクストラサクセス:
(1)衛星に搭載するカメラでの地球環境の撮影
(2)搭載した音声やイラストデータを衛星から受信
※エクストリームサクセス(実現可能性は極めて低いが、生徒の意思によりチャレンジするもの):スペースデブリの撮影
なお、今後の運用では、クラーク国際の校舎に設置した管制局でアマチュア無線従事者免許を取得した生徒らの手によって、Space BDおよびクラーク国際の教員らのサポートのもと、上記ミッションの達成とアマチュア無線技術向上を目指し、広く発信しながら取り組んでいきます。
衛星の運用開始と共に、宇宙探究部では衛星から受信した写真画像を活用してSDGsをテーマにしたモザイクアートの作成や、地球ならびに宇宙の環境問題に取り組む団体や個人に向けてのエールを音声メッセージで発信していく活動を行う予定です。クラーク国際全体でも、生徒たちに衛星の活用方法を考える探究学習を行っていきます。

 

今後の運用スケジュール

・2023年夏:JAXAへ引き渡しが完了
・2023年秋:国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げ
・2023年冬: ISSきぼう実験棟から衛星放出。放出後1カ月程度で宇宙空間での運用が開始。

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